【受験生応援企画!】AP Calculus BC(微積)について

前の記事でAdvanced Placement (AP)試験を取って、大学の教養課程レベルの講義の単位を入学前に取得する方法やメリットについて触れましたが、今回は受験者の多い科目であるAP Calculus BC(微分積分)の試験内容を見ていきたいと思います。どんな問題が出題されるのか興味ある方は、過去問を見てみましょう。学校や予備校で国内受験対策の授業を受けている方からすれば比較的素直な問題が多いと感じると思いますが、難易度はSAT ReasoningのMathやSAT Subject Testsより高いと言えると思います。

試験範囲

まず、試験範囲から紹介していきたいと思います。日本の高校数学の教育課程との対照表を作ってみました:

日本の高校で理系を選択している場合、数学IIIでAP Calculus BCに必要なトピックをほとんど習います。内容的に対策が必要なトピックは、上の図で△になっているDifferential EquationsとInfinite Sequences and Seriesです。

Differential Equationsでは主に\frac{dy}{dx} = \frac{g(x)}{h(y)} の形で表すことができる変数分離型の微分方程式が出題されます。よって、変数分離型の微分方程式の解法を理解していればAP Calculus BCで出題される問題をクリアできます。

微分方程式の数値解法の一つであるオイラー法も出題されます。オイラー法などは\frac{dy}{dx}=e^{-x^2} のように解析解を求めることができない場合に使用することができ、一般的に\frac{dy}{dx} = f(x,y) に対してx = x_0での初期値がy(x_0) = y_0であると分かっている時に、y_{n+1} = y_n + hf(x_n,y_n) と数値解を求めていきます。

また、方向場(slope fields)も扱われます。一般的に、\frac{dy}{dx} = f(x,y) のように表される微分方程式は、xy平面上の各点(x,y) に対して傾きm = f(x,y) を指定していると考えることができます。これらを線分で表現すると、以下のような図が得られます(図はMATLABのdfieldで作成):

青い線は解曲線(solution curve)と呼ばれ、初期条件によって違います。これは空気抵抗を考慮した物体の落下の微分方程式の方向場を表していますが、物体に与えた初速度v_0 によって曲線が変わっていくのが分かると思います。また、時間が経つと初期条件によらず終端速度v_\infty = \frac{mg}{k} \approx 215 ft/sに近づいていきます(ちなみに一応米国慣用単位系にも慣れた方が良いかもしれません笑)。この時の速さは固定点 (fixed point) v^* とも呼ばれ、\frac{dv}{dt} = 0 の時のv の値に対応します。よって、初速度がv_0 = v_\infty の場合、それ以上加速せずに終端速度で落下していくということが読み取れると思います。AP Calculus BCでは物理学や人口モデルなどへの応用という形で出題される場合が多いので、このように数式の意味を考えると問題がスムーズに解けるかもしれません。

また、Infinite Sequences and Series(数列と級数)についても少し触れておきます。数学IIIを履修した場合はほとんど大丈夫だと思いますが、一部数学IIIであまり扱われないトピックが出題されたりします。ある級数を与えられ、収束・発散を判定する問題が多い印象です。一部慣れないものもあると思いますが、収束判定法(比較判定法、ダランベールの収束判定法、積分判定法など)を覚えることによって対応できます。また、テイラー展開やマクローリン展開やそれらを用いた時の誤差を求める問題も出題されます。これらは大学に入ってからも(特に工学部の場合)頻繁に出てくるトピックなので結構大事です。

例題

計算問題が多く出題されるPart Aの例題:

Which of the following series converge? 訳:以下の級数のうち、収束するものを選べ。(2012年度の過去問より)

2012年度の試験のPart Aでは、このような基本的な計算問題を55分で28問解きます。級数の収束は一般的に日本の大学教養レベルの範囲になるのであまり馴染みがないと思いますが、一応答えは選択肢(D)です。Iの級数についてd’Alembertの判定法を使うと、L = \lim_{x\to\infty} |\frac{a_{n+1}}{a_n}|=0なので収束することが分かります。IIの場合、L = \inftyなので級数が発散します。IIIについては、比較判定法を使ったり、区間[1,\infty)で連続な単調減少関数で不定積分\int_{1}^{\infty} \frac{x+1}{x(x+2)(x+3)}dxが収束するということから級数IIIも収束することが分かります。

Free Response Questions(記述問題)の例題(2017年度の過去問より):

Free Responseでは1時間半でこのような大問を6問解きます。アメリカの試験の傾向として(SATのように)数学でも文章問題が出題される場合が多い印象です。今回は茹でたジャガイモ🥔の内部温度の話ですね。実際の試験ではもちろん英語で途中式と答えを説明する必要がありますが、今回は日本語で簡単に解説すると:

(a)問題文よりH(0)=91なので傾きは\frac{dH}{dt} |_{t=0} = -\frac{1}{4}(91-27)=-16と求まり、接線の方程式はy=-16t+91。これを使ってt=3での内部温度を近似すると、H(3) \approx -16\times 3+91 = 43 [^{\circ}C].

(b) \frac{d^2 H}{dt^2}=-\frac{1}{4}\frac{dH}{dt}=-\frac{1}{4}[-\frac{1}{4}(H-27)]=\frac{1}{16}(H-27)である。問題文にt>0の時H(t)>27と書いてあるので、t>0の時\frac{d^2 H}{dt^2}>0である。よってt=3の時Hのグラフは下に凸なのでunderestimate(実際の値より小さい).

(c) これは変数分離形の微分方程式。\int (G-27)^{-\frac{2}{3}} dG = -\int dtより3(G-27)^{\frac{1}{3}}=-t+C (ただしCは定数)。初期条件G(0)=91よりC=12。これを代入してG(t)について解くと、G(t) = 27+(\frac{-t+12}{3})^3を得る。よって求めるべきt=3でのジャガイモの内部温度はG(3)=27+27=54[^{\circ}C].

試験概要

AP Calculus BCの試験は2つのセクションに別れています。Section 1は主に基礎的な計算問題で、合計45問を1時間45分以内で解きます。回答は選択式なので、細かい導出などを書く必要はありません。一方、Section 2は記述式問題で、答案では説明の論理性や厳密性が問われます。Section 2はPart A(大問2つ・計算機必要), Part B(大問4つ・計算機なし)に別れており、それぞれ30分と60分与えられます。採点の基準などはCollege Boardによって公開されており、ウェブページからアクセスすることができます

試験対策

対策自体はBarron’sなどの参考書を購入し、練習問題や「過去問」(実際の過去問ではないが、形式が本試験とほとんど同じ)を試験前に解くので十分だと思います。Free Response Questionsの過去問はCollege Boardのサイトから入手でき、昔のMultiple Choice Questionsも載ってたりします。内容的に高校で扱っていないトピックがあれば、YouTubeでKhan Academy等の動画を見るのをお勧めします。また、YouTubeでAP Calculus BCの過去問の解説動画もあったりするので、それらを参考にするのも一つの対策法です。特に、College Boardが最近YouTubeで公式の動画を出しているので、見てみるのも良いかもしれません。

Premed攻略:メディカルスクールを目指そう!

こんにちは。ノースウェスタン大学に通う三年生のKonkobonkoです。アメリカの医学部志望(Premed)です。今回は、アメリカ(カナダ含む)のメディカルスクール受験過程を紹介したいと思います。

以下の情報は私個人の経験によるものであり、公式ホームページではありません。ノースウェスタンのHealth Professions Advisingのウェブサイト、そして各受験校のウェブサイトなどで必ず際確認してください。

まず最初に:アメリカで医者になる過程:日本とは少し違う!

アメリカで医者になりたい場合、学士号を取得した後、メディカルスクール(医学部)で医学専門の教育を受けます。従来は四年間のメディカルスクール教育を受けてMD(Doctor of Medicine)を獲得し、研修生(ResidentやFellow)として現場研修を数年行ったあと、やっと一人前の医者になれます。

Premedって何?

Premed(Premedical trackの略)は、メディカルスクール志望の人のことを指します。ノースウェスタンの場合、これは専攻やプログラムではなく、個人の意思・本意のことを指します。また、大学生に限らない名称なので、社会人のPremedの方々も少なからずいます。医学に関係なしの職業に就職したあと、医者にやっぱりなりたいと決心し、大学へ戻って受験に必要なクラスを取って夢を追いかけている方もいます。私の友達の中では高校時代からPremedだと自覚していた人、大学二年生になって医師になりたいと初めて思った人、また一年生からPremedだったが必須科目の有機化学の授業が過酷すぎて医者の道を諦めて他の道を選んだ人など、たくさんのケースをみます。

私の場合、元々医学に興味はあったのですが、Premedとして本格的にメディカルスクールを目指そうと決めたのは大学一年生の秋学期の終わり頃です。キャンパス内で行われる様々なメディカルスクール紹介イベントに参加し、アドバイザーや先輩たちに相談し、オンラインで情報収集などを行った後、この道を選びました。

学部生の間の専攻は医学と全然関係なくてよし?

メディカルスクール受験に必要な科目は生物や科学の専攻に必要な科目とほとんど重なるので、結果的に多くのPremedの学部生は生物や科学を専攻します。しかし!アメリカでは高校卒業後そのまま医学部に通う日本とは違い、医者になるために学士課程の時点で決められた専攻を選ぶ必要はありません。メディカルスクールを受験するために必要な単位を全て事前にこなせていれば、全く医学と関係性のない分野を学部生の間は専攻にしても構わないのです。例えばノースウェスタンでは、Premedでありながら、歴史・経済・音楽・工学などの専攻の人、または二次専攻・副専攻としている人が結構います。メディカルスクール自体はDiversity(個性・多様性)を重視するので、その専攻により学んだことなどを医学につなげて自分のユニークさをエッセイや面接などでアピールすることができれば、一種の利点になります。私の場合ピアノ科と脳科学科の二次専攻なので、脳科学の必須科目はPremedの必須科目とほぼ100%被っています。

受験過程ってどんな感じ?

日本では医学部受験の際合否は試験と面接の結果で決まりますが、アメリカの場合は試験(MCAT)と面接以外にもボランティア、研究経験、成績、推薦状、Shadowing(お医者さんの職場見学)、Personal Statement(なぜ医者になりたいのかを書く小論文)、リーダーシップ経験等により合否が決まります。受験者を総合的に人としての評価(Holistic Review)を行う為、自分の夢・可能性をいかに上手く話せるかが決め手になってきます。

6−7月:Primary Applications を提出 (一次書類審査)

第一次審査用の書類をAMCASというサイト(大学受験で使うCommon Applicationのようなもの)で志望学校に提出します。記載する情報は成績、MCATのスコア、Personal Statement(小論文)、ボランティア経験、リーダーシップ活動、推薦状等を含みます。

8月:Secondary Applications を提出 (二次書類審査)

第一次審査を通過した場合、今度は第二次審査で受験する各校ずつに特定の小論文をいくつか提出します。課題は学校ごとに異なりますが、「なぜこの学校に行きたいのか?」などの質問が出されます。受験生が受けるメディカルスクールの平均数は10−20校なので、場合によっては第二次審査のためのエッセイを何十個も書くことになります。

10月ー翌年3月:Interview(最終面接)

第二次審査を通過した場合、面接に招待されます。これはほとんどの場合現地で行われ、一日中かかります(飛行機代はfinancial needがない限り自費)。普通の面接(Traditional Interview)の形式の学校もありますが、最近はMMI(Multiple Mini Interview)という形式を利用し始めている学校が増えてきています。MMIはいろいろな状況にどう対応するかを見込み出す形式なので、各面接官が出すシナリオに答えて周ります。ノースウェスタンのHealth Professions Advising Officeでは、面接に招待された受験生には練習用のMock Interview(模擬面接)を行ってくれます。

10月ー翌年9月:Acceptance 合格

Rolling Basisで合格通知を出す学校の場合、10月から3月までの間にいつ合格通知が来るかわかりません。Rolling Basisではない学校の場合、一定の日にち(3月ごろ)を学校側が決めてその日に全ての合否結果を出します。Waitlist(保留)になった場合は、メディカルスクールの始業式が行われる数日前(翌年8月か9月頃)に合格通知が届く、なんてこともあるそうです。

メディカルスクールに受かる為に大事なこと

日本の医学部受験と似ているところが、全てのメディカルスクールが超難関な為、大学受験とは違い滑り止め学校と言う願念がないことです。成績とMCATのスコアが平均以上だとする場合、10-30校ほど受けて、インタビューのために呼ばれるのは数校、そして最終的に合格通知は1校、なんていうケースもよく聞きます。GPAやテストスコアがいくら良いからといって油断はできないのです。

Admissions Committee(入学審査を行う委員会)が重視することは:

ー良いGPA(授業での成績):Cumulative GPA(大学時代全科目の成績)とScience GPA(化学、物理、生物、数学など)が4.0 (オールA)に近いほど、合格のチャンスは上がってきます。しかし、1クラスで悪い成績を取ったからといって医者になる夢を断念するのではなく、それ以降のクラスでいい成績をとることができれば困難も乗り越えることができるということを見せられるので悔やむ必要はありません。学部卒業後GPAに不満が残る場合、Post-baccalaureate Programという一年の学士課程終了後のプログラムを提供している大学が数々あるので、そこで医療に関係ある授業を受けて良い成績を取ることで総合GPAをあげることもできます。四年間のGPAは上昇志向が好ましいそうです。ちなみにPremedとしての必須科目(Required Coursework)は受験校により異なりますが、大抵の場合は一年間の生物・無機化学・有機化学・物理学のコースワーク(ラボ含む)を必要とし、学校によっては数学・英語・心理学・社会学・生命論理などのコースワークを必要とするか進めています。詳しくはこちら

ー良いMCATのスコア: 受験者はMedical College Admissions Test(MCAT)のスコアを学校に提供します。これはセンター試験やSAT同様唯一他の受験者と統一できる秤なので、第一次審査でスクリーニングされるときに重視されます。テスト自体はトータルで7時間ほどかかります。生物学・化学・物理・読解力・心理学・社会学などの分野を試されます。ほとんどの情報はPremed に必要な科目の授業内で習うことですが、三ヶ月〜半年ほど集中した勉強期間を費やしている方々が多いです。有名な試験会社はKaplan, Princeton Review、など。正式模擬試験は試験提供者(AAMC)により販売されています。詳しくはこちら

Clinical Experience (病院での経験):これは大まかに言うと三つの種類に分かれます。病院でのボランティア、職場見学、そして病院で働くこと。

  • 病院でのボランティア:病院によりますが、これは患者さんを車椅子で同行する、事務仕事、など様々な役割があります。病院という場所はどういうところなのかを実際に体験して理解しているのか、そして患者さんとの交流の経験があるのか(Patient Interaction)、などを問われます。短期間集中的に行うよりは、数年間同じ場所でボランティアをすることが進められてます。ただしボランティアとして医療行為を行うこと(注射、薬剤投与等)はアメリカでは禁止されているので、そこは要注意です。
  • Shadowing(職場見学):Shadowingとは名前通り、お医者さんの仕事現場を影のように一日中ついてまわることを指します。Shadowingでお医者さんの一日を自ら観察することで医者の生活が実際どうなのかをもう少し深く理解することが目的です。ドラマなどで象徴される架空上の医者の姿ではなくリアルな医者の姿を身近でみれる為、自分に本当にあった職業なのかが見極められる一つのチャンスです。お医者さんに知り合いがいれば楽ですが、いない場合は近くの病院にEメールを打って頼んでみるのも一つの手段です。ノースウェスタンの場合、Mentorship Programというプログラムで卒業生で医者になった方達と連絡をとることができるので、私の場合はそこから数人のお医者さんと連絡を取ることができ、shadowingの機会をいくつかありがたく頂けました。
  • 病院で働く:EMT(緊急救命士), Scribe(医療代書人)など実際に病院で存在する職業で働くことで、病院のシステムをよりよく理解することもでき、給料も出るので、生徒の中では人気です。アルバイト制の仕事の場合が多いので、夏の間、またはGap Yearの間にこのような仕事をして稼ぐのも一つの方法です。しかし資格が必要な場合は、トレーニングなどを事前にこなしていなければいけないこともあります。

病院以外でのボランティア:ボランティアを行うことで自分がどれだけ人に尽くす人なのかをアピールできます。音楽を教えたり、老人ホームでお婆さんのビンゴに付き合ったり、フードシェルターやホームレスシェルターでボランティアしたり、などなど。これは自分が実際にに興味あることに時間を費やすことで、人に尽くしたい思いと共に趣味とユニークさを出すことができます。

リーダーシップ経験:これはクラブでの会長になったり、チューターとして得意科目を他の生徒に教えたり、何かのイベントを開催したり、新しいクラブや会社や協会を結成する、など。将来の医療のリーダーになるために必要な素質と可能性があるのかを、履歴と実績で見せつけることが大切です。

推薦状:多くの学校が理系のクラスの教授から一通、そしてあと数通手紙を用意することを必要としています。もし研究所に入っている場合、その教授と仲良くなって推薦状をもらうことはいいアイディアです。自分のことをよく知っている教授を選ぶことで、良い推薦状に期待できます。正直ノースウェスタンで理系のクラスの教授と近くなるのは最初の二年間は意外と難しいと感じました。なぜなら、入門理系授業(General Chemistry, Organic Chemistry, Physics, Biology)は100人以上のクラスなので先生との距離を縮めるのが少し大変だからです。三年生になると自分の専攻に必要な専門的なクラスも受けられるようになってくるので、もう少し小さめなクラスサイズのため教授のOffice Hourなどにも気軽に通え、授業中も質問などで手をあげることに躊躇うことも少なくなってくると思います(あくまで個人的な考えですが)。また、クラスが小さめだと、先生も自分のことをもっと良く知ろうと努力してくれる感じがします。

ーその他:研究 研究はもしリサーチが盛んな学校に受験する場合は必須同然になってきます。例えば、ノースウェスタンは研究大学なのでメディカルスクールで受験する場合リサーチ経験は重視されます。その場合研究所に所属しているだけではなく、出版などの実績もみられます。研究で成果を出すのは学部生では普通は比較的難しいのですが、カンファレンスやポスターでプレゼンを行うことで研究に興味を持っていることをアピールできます。

もちろん受かる為に上記全てが必要な訳ではないです。

ノースウェスタンPremed特有のプログラム

ノースウェスタンのメディカルスクールは、学部拠点のエバンストンから30分ほど離れたダウンタウンシカゴのキャンパスにあり、Feinberg School of Medicineという名称です。全米でもトップ20メディカルスクールランキングに入る、エリート学校です。利点は、シカゴのダウンタウンど真ん中にあること・周辺に4つの大病院があるから素晴らしい教育を受けられること・米国トップ20位内になを誇るメディカルスクールなので、財力が豊富で環境が調っている、そして研修医になる時にブランドネームなので有利なこと、などなど。

普段からノースウェスタンのPremed学部生はFeinbergとのつながりが強いです。例えば、Shadowing(職場見学・医者の付き添い)をするときにはFeinbergのお医者さんを付き添ったり、シカゴの病院でボランティア経験を積んだり。特にノースウェスタンの生徒特有のかなり有利なプログラムが二つあります:HPME (Honors Program in Medical Education)とNUPSP (Northwestern University Premedical Scholars Program)です。

HPME

7年間のBA/MDプログラムです。HPME合格者は入学時からFeinbergへの進学が保証されます。学部を受験する時点で面接が伴います。MCAT試験などを受ける心配がなく、しかもメディカルスクール入学が高校卒業時点で確定される為、医者になる決心が強く事前に準備をしてきた優等生・特待生には人気です。学部生の間授業自体は他のノースウェスタンの生徒たちと受けますが、数人プログラムのためプログラム内はみんな結構仲が良いらしいです。詳しくはこちら

NUPSP

ノースウェスタンの大学三年生で必要な科目を終え、一定のGPA以上を獲得した生徒のみ応募できるプログラムです。このプログラムで合格した場合、四年間の大学生活を終えたあとにそのままFeinbergに入学します。この場合他のメディカルスクールに受験する必要がなく、MCAT 試験も受けなくていいので、優秀な生徒たちには人気のプログラムです。この場合のエッセイとアプリケーションを大学三年生の冬休み始めに提出して、インタビューに招待された場合Feinbergで最終面接が行われます。詳しくはこちら

Gap Yearを選ぶ受験生(浪人生)は増えてきている

学士課程を終えた生徒で、そのままメディカルスクールに入学する生徒は昔は一般的でしたが、最近ではGap Year(浪人)を選ぶ生徒がノースウェスタンでは特に増えてきている傾向だそうです。

浪人生活を選ぶ理由は様々です。例えば、他の職業を見て回って社会人でいる経験を積む、またはメディカルスクールの受験に必要な項目を強化するために病院ボランティア・研究・医療関係の仕事(ScribeやEMT)などを行う、大学生活から休みをとり旅行をする時間を作る、など。日本では浪人生という概念があまり好ましく思われていない気が個人的にはしますが、アメリカでは一年(またはそれ以上)を有意義に使った場合は人生経験などの証になることもあるので、焦らない姿勢は悪いこととはそれほど思われていません(もちろん家でずっとゲームを遊ぶためにGap Yearをとっていたら無意味ですが)。

特にGap Yearが人気な理由は、もし卒業後メディカルスクールにまっすぐ入学したい場合大学三年生の夏の時点でアプリケーションを提出しなければいけないためです。大学三年生の時点で必要なリーダーシップ・必須科目・推薦状を書いてくれる教授との繋がり・研究での成果・病院ボランティアやShadowingの経験・MCAT試験・医療以外のボランティア、などを全て完璧にこなすとなると大学生活をあまり楽しめないと感じる大学生は少なからずいます。合格する確率を上げるためにもできるだけ受験には準備抜群で挑みたい為、四年生の間のいろいろな経験がアプリケーションに大切になると感じている生徒も多いのではないでしょうか。

終わりに

さて、日本の医学部とは少々異なるアメリカのメディカルスクールの受験課程、いかがでしたか。実は、ヨーロッパの多くの国でも日本に似て高校卒業後に医学部へ進学する制度が設けられているので、アメリカの学部卒業後にメディカルスクールへ進学する制度は比較的ユニークな感じがします。人生経験の豊さを重視してくれる一方、試験結果以外にも点数では測れない基準がたくさんある為受験生にとっては別の意味で不安やストレスが増えることもありそうです。皆さんはどちらの制度が良いと思いますか?

寮紹介!(あくまで個人の感想です。)

お久しぶりです。率先して自宅で自己隔離し、もしもの時のために備えてバイオハザードをやりまくっていた海の民です。今日は、キャンパスの寮について書いていこうと思います。ノースウェスタンでは、学部生は最低2年間、キャンパスに住まなくてはならない、というresidential requirementがあります(これはアメリカの他の大学でもよくあります)。ほとんどの人は最初の二年間のみ寮に住みますが、4年間ずっと寮に住むことも可能です。また、条件は「キャンパス内に住むこと」なので2年目は寮ではなくFraternity・Sororityに住むこともできます。

一つ一つの寮について書いていく前に、まずは全体的なトレンドから書いていこうと思います。まず、キャンパスの寮は大きく南と北分けることができます。ノースウェスタンのエバンストン・キャンパスは南北歩いて20分くらいの大きさで、北エリアはキャンパスの北の端、南エリアは南の端と、それぞれ分かれています。

南エリアは、Bienen(音楽)やMedill(ジャーナリズム)、そしてKresge Hall, Harris Hall, University Hallといった文系の授業がある建物が近くに多くあるので、基本的に文系などの学生が多いいですが、McCormick(工学部)の学生も意外といます。南エリアの寮は大体有名なアーチの近くに位置しており、北と比べて古めの建物が多かったりもします。また、エバンストンの街にも近いため、授業終わった後ちょっとタピオカ飲んだりカフェに行ったり、といったこともできます。幅広い科目を学んでいる人がいるので、自分の専攻意外の分野にも興味があったり、自分と考え方の違う人と話せる機会が欲しい人にはおすすめです。

北エリアは、Technological Instituteという、工学系や理系の授業のある巨大な建物、またFord Buildingというものづくり専用の建物など、工学系・理系に集中した建物が多いです。立地的にはエバンストンの街から少し遠い為、人里離れたような雰囲気がなんとなくあります。理系の授業はほとんど北で行われる為、北エリアの寮の住人は大体が工学・理系です。その為、文系の学生との交流は南ほどありません。ですが、周囲に同じ学部・専攻の人がたくさんいる為、一緒に勉強や宿題をする人に困らない、という利点があります。

South Campus

Shepard Hall

南キャンパスでは一番いいと言われている寮。海の民が住んでいました。2、3年前に改装されたばかりで、トイレやシャワーもまだ新しくかなり綺麗です。また、各フロアにラウンジと勉強スペースがあり、近くの部屋の友達と勉強したり、Netflixを観たりして過ごせます。さらにシェパードは地下にShepard Engagement Centerという巨大なパブリックスペースがあり、中には卵型の椅子やハイテクなキッチン、自習スペース、さらには信仰用の部屋があったりと、コミュニティを感じされてくれる設備がたくさんあります。また、立地的にも食堂のあるアリソンの目の前に位置している為、真冬でもサンダルで飯にありつけます。

かなり多様な人が住んでいて、音楽、演劇、ジャーナリズム等、工学部で普通だったら絶対に繋がりが無いであろう人達に囲まれて生活していました。階によってソーシャル度に差があり(原因は不明)、私が住んでいた4階は結構みんな仲がよかったのですが、他の階はそうでもなかったみたいです。


Allison Hall

南に位置。そのため、音楽や演劇、人文学系を専攻する人が多い印象。中には理系だけど寮は雰囲気を変えたいと思って敢えて南を選んだ、という人もいますが。部屋はダブルとトリプルがあって、たまに二人部屋を一人で使っているラッキーな人もいるのが羨ましいですが、全体的に大きめだと思います。カーペットのフロア(個人的に大事)。部屋は食堂向きだと24時間電気がついていて眩しいらしいのですが、窓が広いので外向きだととても気持ちが良いです。一階はGender Neutral(トイレやシャワーが男女共同)でLGBTQ+の率が高く、それより上のフロアは男女でスペースが分かれています。

300人程の大きめのResidential Hallなので、イベントも各フロアごとや寮全体、南全体、などResidential Collegeに劣らず行われていますが、ポイント制などはないので気が楽です。1838 ChicagoとShepardとコンソーシアムを組んでいるので、その2つの寮には自由にアクセスできてジムと勉強スペースが自由に使えます。卓球台とビリヤード台とピアノがありますが、フロアの住民みんな仲良しで部屋のドアも開けっぱなし、という北の寮に比べるとソーシャル度は劣るらしい。エバンストンの街に近いので息抜きがしやすいのが気に入っています。食堂が大きく、寒い冬は特にラフな格好で中から直接アクセスできるのが良点。


Willard

南に位置。Residential Collegeなので、寮決めの際に意気込みみたいな簡単なエッセイの提出を求められますが、その分ジムや勉強スペースが使えたり住民だけのイベントが頻繁にあったり、ソーシャルライフが充実しています。昼間はBrewbike、夜は1時まで空いているFran’s Cafeというカフェがあるのも特典。建物自体がホテルのようで綺麗です。部屋はシングルからトリプルまであり、かなり広いです。キッチン設備も充実しています。キャンパスの中心的な建物からは少し歩きますが、個人的にはSororitiesの間を通っていく小道が好きであまり気にならないかと。


Plex (Foster-Walker)

Deering Libraryに面する、位置的にはキャンパスの中央にある寮で、食堂付き(小さめですが夜中までやっていて、麺を作ってもらうことが気に入っているコアなファンもいます)。全てシングルで、部屋は少し狭いですが人を気にせず住みたい人にはお勧め。地下に宅配センターと広い洗濯室があります。実はFGLI(First Generation Low Income)のOfficeが勉強スペースを持っていたりします。二年生以降から住むことのできる寮です。

North Campus

Slivka Residential College

Photo of the Slivka College of Science & Engineering
上:Benjamin W. Slivka Residential College of Science and Engineering. (Northwestern University Campus Mapsより)

キャンパスの北側にあるResidential Collegeの1つです。140人用の寮で、多くの寮では寝室と廊下が直接繋がっている一方で、SlivkaはSuite-Style Livingなので、

(一人部屋 x 6または2人部屋 x 3) + (Suiteに住んでいる6人専用の(トイレ+シャワー+洗面所) x 2) + (リビングルーム)

という構成になっています。よって、一般的な寮より、どちらかと言うと普通のアパートに構成が近く、より快適な生活を過ごすことができます(笑)。数年前に建設されたお隣の560 Lincolnという寮ができる前は、キャンパスで一番良い施設をもつ寮として有名で、北キャンパスではかなり倍率の高い寮として知られています。また、Upperclassmen Retention Rate(次の年もその寮を選択する人の割合)がキャンパスで一番高いのも特徴です。

Science and Engineeringをテーマとする寮なので、大体住民の7-8割が理系です。そのため、講義から戻って来て1階の勉強スペースに行くと、必ず同じ授業を取っている人が集まって勉強しています。また、学期の始まりに先輩が履修相談をする機会や、1年生で専攻がまだ決まっていない人用にMajor Fairが行われたりされます。

Residential Collegeなので、寮に残るためにはイベントに行ったり、委員会活動への参加などを通してポイントを稼ぐ必要があります。イベントの種類は様々で、ドイツ語で書かれた数学書を全員で読んだり新しい単位系を作る会(笑)から、他の寮とサッカーなどをするイベントがあります。また、理系学部の教授と一緒にコーヒーを飲んで話すCoffee Chatというイベントもあり、昼休みにSargent Dining HallのSlivka住民専用のエリアに行くと教授が座っていたりします。履修している授業の先生がSlivkaの2階のラウンジで学生と一緒にソファーに座ってテレビや映画を見たりしている光景も珍しくなく、化学界で有名な教授がキッチンでSlivkaの住民のために炒飯を作ってくれることもあります。

地下にはDiscovery Roomという部屋があり、3Dプリンタで物を印刷することができます(もちろん普通のプリンタもあります)。Discovery Roomの他は、自転車用の倉庫や、音楽用の部屋があったりします。Music Roomにはピアノ、キーボード、ドラムセット、譜面台などが用意されており、勉強が行き詰まったら周りの人と下にいき、伴奏の楽譜を見つけてミニコーラスを楽しむことができます🎶。

1階は勉強室・会議室やFaculty Fellow(教授)のオフィスの他に、Lisa’s Cafeというカフェがあります。Lisa’s Cafeは夜中の1時まで空いているので、サンドイッチやアイス、チキンなどを買うことができます。


560 Lincoln

かの有名な第16代アメリカ合衆国大統領、リンカーンとは特に関係がなく、面している通りがリンカーン通り、ということでこの名前です。

実は北キャンパスどころかノースウエスタンにある寮の中で一番良い寮とも言われている、通称「ホテル・リンカーン」。そのあだ名も伊達ではなく、本当にホテルのような感じです。全部で7階、それと地下があり、部屋は1階から7階までとなっております。地下は共同スペース、みたいな感じでビリヤード台やテレビやソファが置いてあります。各階に共同エリアとキッチン、そして洗濯機と乾燥機がいくつか(階によって異なるが、1階は洗濯機3台、乾燥機4台だった) 揃えられており、非常に快適に過ごせる寮となっています。その上、部屋は全てスイートルームとなっており、一般的には二人部屋が二つ、合計四人での暮らしで、各スイートには玄関?ともなるあまり広くない共同スペース(洗面台がここに二つ)、そしてトイレとシャワーが備え付けられています。どのスイートもこの部屋+シャワー+トイレ+共同スペース(洗面台付き)という構成ですが、二人部屋が二つ、ではなく、一人部屋が四つのところもあったり、二人部屋が二つ、そして一人部屋が一つ、という五人編成のスイートもあります。部屋自体はそんなに広くなく、一般的なノースウエスタンの寮の部屋、という感じです。(でも1階の部屋はマジで天井が高い)。2017年に建設されたばかり、ということもあってとても綺麗な寮となっている上、他の寮と比べるとシャワーやトイレやキッチンや洗濯機などの普及の多さが多くの生徒を惹きつける魅力となっています。住んでいてほとんど文句なしの寮です。

しかしどの寮にも欠点はつきものです。まず、みんなが口を揃えてあげるのが、寮の遠さ。キャンパスの一番北にあるがために、授業へ行くのに、食堂へ行くのに、図書館へ行くのに、かなりの時間を要します。北キャンパスは寮が一列に並んでおり、リンカーンは上記のSlivkaの隣にあるのですが、それでも冬の寒い中、Slivkaからリンカーンまでの道は想像以上の過酷さです。他にあげる点としては、あまり寮で友達を作る、というのに適していない、という点です。多くの新入生はおそらくルームメイトと友達になったり、同じフロアの人と友達になる、というのを目標にしていると思いますし、実際多くの寮ではそうなっています。しかしリンカーンはシャワーやトイレがスイートにあるので、自分の部屋から出なくていい、ということもあってか、自ら積極的に他の人と接点を持つように心がけないと、自分のルームメイトやスイートメイト以外の人たちとは友達になりがたい、というのが現実です。友達をたくさん作る方やいろんな人たちとの出会いを楽しみにしている方にはあまり向いていない、ということです。しかしだからと言ってこれらが無理、というわけでもなく、ただ他の寮と比べて難しい、というわけです。

まとめ

色々と寮についてまとめてみましたが、正直なところブログのメンバーがそれぞれ自分たちの住んでいた寮について書いたので、どれもある程度偏っていると思います(笑)。あくまで個人の感想です。大学のウェブサイトにもっと中立的な情報もあるので、他の寮についても知りたい、という方はこちらをどうぞ。アメリカの大学では日本と違い、基本的に寮住まいになる為、住まいも学校生活の一部です。なので、しっかりと調べて、自分が住みたい、と思えるようなところを是非見つけてください。また、寮についてもっと詳しく聞きたい方は、遠慮なく私たちに聞いてください。

AP/IB単位互換制度:国内高校出身の場合

お久しぶりです。4月に入り、やっと長い米国大学受験シーズンが終わり、高校を卒業された方も多いと思います。大学受験お疲れ様です。さて、国内(日本)の高校を卒業した方は、多くの米国大学が始まる8月・9月まで数カ月のギャップタームがあると思います。この数カ月のギャップタームで何をすれば良いか、と聞かれることがありますが、ギャップタームの使い方の一つとして、AP試験を受験して、大学の教養課程の単位を取ってみるのはいかがでしょうか。

※AP試験の対策方法についてはこちらへ!

そもそもAP試験って何?

日本の高校教育は世界的に見てもかなりレベルが高いことが知られています。米国大学受験を経験した方はSAT/ACTやSAT Subject Test(専門科目)などの試験をどこかで受験していると思いますが、特に理数系科目の試験に関しては高校の宿題や国内大学受験対策の参考書にあるような問題に比べると簡単であると感じる方が多いでしょう。私もアメリカの大学を受験している時、アメリカの科学・工学分野における研究と、大学の入学試験の問題の難易度の高低差に疑問を持っていました(もちろん入試の難易度=大学のレベルではないですが…)。

実際アメリカの高校教育の事情を調べてみると分かりますが、必ずしもアメリカの大学入試問題のレベル = アメリカの高校教育のレベルではなく、アメリカの理数系教育が遅れている訳ではありません。確かにSAT/ACTやSAT Subject Testはアメリカの高校生の平均的な学力を考慮して作成されている試験です。しかし、上位校に集まる(特に工学・自然科学系の)学生のほとんどは高校の教育過程では満足せず、Advanced Placement (AP)という、簡単に言うとアメリカの大学教育レベルの内容を高校で学べる制度を通して、意欲的に大学レベルの内容を「先取り」しています。よって、確かにアメリカの高校では(日本では文系も取る数学IIの範囲に含まれる)微分積分を履修せずに卒業することは可能ですが、上位校を受験する学生の多くはアメリカの大学1年目の範囲に入る(一変数関数の)微分積分を終わらせています。

また、ノースウエスタンの工学部の人と話していると、AP Calculus BC(一変数関数の微分積分)以外にも、高校の上級用のカリキュラムや近くの大学を通して日本の大学1年で学ぶMultivariable Calculus(多変数関数の微分積分)やLinear Algebra(線形代数)を既に終わらせている人が多く、中にはDifferential Equations(微分方程式)を高校で学んだ人もいるらしくて、驚きました。

AP試験を受けるメリット

  • 周りの学生の多くは高校でAPの授業を履修しているので、APの単位を持っていないと、同じ1年生でも周りがAPで取得した単位で飛ばしている入門授業を履修する必要があります。よって、Course Sequence(カリキュラム上履修する授業の順番)を周りの友達と比べると遅く始めることになります。理系の場合、微積がほとんどの授業のPrerequisite(履修のための前提)になっているので、専門科目を履修できるのが少し遅くなってしまいます。
  • 卒業条件を何科目かクリアでき、4年間スケジュールに余裕が出ます:
    • アメリカの大学の学費は異常に高いので、早く就職して社会に出たり、親への金銭的な負担を減らす目的で、高校でAPの授業を数多く取って最短で2.5-3年での卒業を目指す学生もいます。
    • 空いた枠を使って専攻に関係ない(卒業条件でない)面白い授業を取れます。
    • Double Major(二重専攻), Minor(副専攻)をする余裕が出ます。
    • 5年間でBS/MS, BA/MS(学士+修士)を取れるプログラムを4年間で終わらせることができます。
    • スケジュールに余裕が出るので、学期中にインターンや短期留学をしたり、研究に集中できる時間が増えます。
    • 専攻が決まっていない場合、色んな専攻(とその授業)を試す時間が増えます。
  • 国内の高校出身の場合:
    • 高校で既に習った授業を繰り返す必要がなくなる。例えば、多くの専攻に一変数関数の微分積分(MATH 220-1, 220-2)が必要ですが、文理両方とも微積を数学II(理系の場合は数学II+III)で学ぶと思います。※アメリカの高校生は「文系」でもAP Calculus BCで数学IIIの範囲に該当する三角関数、無理関数、分数関数、逆関数などの微分・積分や、置換積分、部分積分、回転体の体積などを学習します。しかし、文系の大学受験の範囲外ではあっても、高校でそれらの基礎的な操作は学ぶ場合もあると思いますし、慣れれば演算はそこまで難しくないと思います。<余談>興味深いことに、AP Calculus BCでは広義積分や(物理で空気抵抗問題やRLC回路、振動などを扱った方はご存知の)簡単な微分方程式も範囲に含まれており、ロピタルの定理を厳密な証明しなくても使えるのも中々面白いです(不定形であることを示すだけで十分らしいです)。
    • 理系の場合、日本の大学のカリキュラムと同じ位置でスタートすることができ、場合によってはより進んだ位置から始めることも可能です。

どのAPを取れば良いの?

アメリカの大学に進学する場合、上述したAP制度により、周りの学生のほとんどが少し進んだ位置から授業を始めている場合が多いでしょう。また、せっかくアメリカの大学に進学して最初の一学期を高校で学習した内容を学び直し、他に面白い授業が取れなくなるのはもったいないので、時間があるならAP試験を受験した方が良いと思います。基本的に自分の知っている内容を扱っている試験であればどんどん受けることができますが、科目によって試験の日程・時間が重なったりするので、なるべく自分の専攻(または予定専攻)のカリキュラムを見て、1年目で取る入門授業がスキップできる科目を選びたいところです。

ノースウエスタンの単位互換制度のリンク:

McCormick(工学部)

Weinberg(≒文理学部)

受験申し込みについて

SAT/ACTなどの試験は自分で申し込むことができますが、AP試験の場合は、もともとAPの授業の修了試験として作られているためか、学校側が申し込みをするのが一般的だそうです。国内のインターや国際系の高校に通っている方ならば学校側がAP試験の申し込みを全員分担当していることが多いと思います。しかし、(インターでない)国内の高校に通っている場合、AP試験を行っている近くのインターや国際系の高校に自分で問い合わせる必要があります。国内高校から米国大学に進学した友達でこのように近くのインターにお願いして高校在学中または高校卒業直後にAP試験を受験した人は何人も知っているので、決して申し込むのが難しい訳ではありませんが、余裕を持って近くのインターに連絡することをお勧めします。

では、AP試験の制度についてはここまでで、今後はAP試験の対策法について話していきたいと思います!

IBスコアと単位

IBをやっている皆さん、こんにちは。海の民です。このブログの筆者には、私を含めて3人、IB経験者がいます。アメリカの大学では、IBの経験者は少数派で、ウェブサイトなどにもあまりピンポイントな情報が載っていなかったりします。そこで、今日はIBの成績がどれだけ大学の単位に変換できるのかについて書いていこうと思います。

McCormick(工学部)の場合

私の専攻、機械工学では、IBのスコアはBasic Requirement(基礎科目)とElectives(選択科目)にのみ、単位をもらえます。基礎科目とは、要は数学です。しかし、やはり学力を重視するノースウェスタンなので、数学の単数微分積分(Math 220-1, 220-2)の単位をもらうには、IB Math HLの6以上が必要です(鬼畜ですね、私はHL5で何ももらえませんでした)。また、機械工学では数学の他に物理(Physics 135)を取る必要があるのですが、HL Physicsでいくらいい成績を取っても免除されません。え、なんで、と思いますよね。残念ながらIB Physicsは微分積分を使わないため、Physics 135の単位はもらえないんです。ひどいですよね。IB ChemはSLだったので知りません(すみません)。

ただ助かるのは、Electivesの単位はちゃんともらえることですね。機械工学では12の選択科目の単位が必要なのですが、HLのスコア6以上であればまあ単位はもらえます。例えば、私はHistory HLで6をとったため、歴史の2単位もらいました。Physics HLでもらった2.66単位(2授業と2実験)も、おそらく自由選択には使えるのだと思います(まあ正直あまり役に立ちませんが)。

まとめると、McCormickでは、基本的には基礎科目(主に数学)や、専攻とは関係のない文系のHLの科目では、IBの成績によってはちゃんと単位がもらえます。ですが、物理のように、科目によってはどんなにいい成績でも、必須単位の免除には繋がらないこともあります。まあどちらにしても、良いスコアをとっておいて損する事はないので、全力で頑張ってください。

Weinbergの場合(じょうもん)

Weinbergの場合、Distribution Requirements(12科目)と各専攻ごとの必須科目(専攻によって必要取得科目数は異なりますが)を合わせてもWeinbergを卒業するのに必要な単位数には足りない場合がほとんどだと思われます。特に日本人の場合、Language Requirementsを日本語でクリアできてしまうので、その分の6単位は必然的に浮くことになります。そうするとIBの単位が例え専攻等に関係なくても、必要取得単位数を埋めるために使えるのでとても便利です。例を挙げると、イタリア語という何も需要がないと思われていた単位もカウントしてもらえたため、余裕が出て1学期分の授業数を少なくすることができたり、インターンをしたり、留学したりといったことが可能になってきます。IBの点数をとっておくに越したことはないですね。通常はどの科目でも5以上から単位として認められることが多く、場合によっては7だと2単位相当になることもあるので、最終試験まで頑張ってください!

逆にWeinbergでも、専攻の必須科目で必要な単位数を減らす事はできません。例えば、私はせっかくHistory HLで6を取って2単位もらったのに、残念なことに歴史専攻にこの単位は使えませんでした。なので、結局必須の12単位全て取らないといけません。まあ歴史は好きなのでいいんですが。

結論

IBは、苦労の割に利益がAPの学生と比べて少ないです。アメリカの大学なので仕方ないかもしれませんが、APは一年取ればいいだけで、しかもEEやCAS、TOKなどをやらなくてもいいのに対し、IBの場合はHLでなくてはならない上に、基本的に5か6以上のスコアを取らないといけません。ですが、希望はあります。私は知らなくてやらなかったのですが、なんでも世の中にはAP Examだけを取って単位をもらった輩(辛チキン)がいるそうです。IBで2年間ずっと学んだ科目ならば、SLだろうとスコア5以下だろうと、気合いとちょっとの自己学習でおそらくAPで単位を取れるんじゃないでしょうか。もともと高校から一つも単位を持ち越さなくても4年で卒業できるように制度が成り立っているので、1単位ももらえなくても支障はありませんが、単位が最初からあれば大学での自由度が上がります。それでは皆さん、IB頑張ってください!