
<自己紹介>
こんにちは、ノースウェスタン大学一年生のLindsayです。
私はアメリカの現地校に小学生の頃4年半通い、中高は日本の私立学校に通っていました。今はノースウェスタン大学で社会学とジャーナリズムを専攻しています。
<海外大学を目指したきっかけ>
将来、私は調査型/リテラリージャーナリストとして、社会的マイノリティ(主に人種的マイノリティ)における実態を調査/発信し、よりインクルーシブな社会的制度を促したい、と思っています。それを実現するにおいて、社会学(特に人種に関して)とライティング(クリエイティブライティングやジャーナリズムなど)を大学では学びたいと思っていました。日本に比べ、アメリカではこれらが学問として確立しているため、海外大学を目指すようになりました。
<人種的環境格差に向き合った半年間>
社会学の中でも、私は環境的人種差別(人種的環境格差)に関心を持っています。環境的人種差別とは、人種的マイノリティが多い地域の生活環境の質が不当に低い状況を指します。この問題の一因として、過去にアメリカで実施されたレッドライニングがあります。レッドライニングとは、人種的マイノリティが多い地域への投資を差別的に制限し、人種隔離を促した政策であり、貧困率や治安などの形で、現代にも影響を及ぼしています。
【ジャーナリズム】

私は大学新聞「The Daily Northwestern」のレポーターとして活動し始めました。この大学新聞は、大学があるエバンストンという町のニュースも報道します。エバンストンはシカゴから一時間程離れた裕福な郊外都市であり、比較的に治安が良いとされています。しかし、エバンストンでもレッドライニングの影響が今でも残り、環境的人種差別が問題視されています。解決するにあたって、町は「Environmental Equity Investigation (EEI)」という調査を実施していました。私はこのテーマの番記者として、半年間エバンストンにおける環境格差問題を追う事になりました。
初めての取材は十月中旬に行われた「EEI Public Workshop」でした。このイベントは、EEIの一環として、住民の意見を取り入れるために実施されました。私は放課後にイベント会場である教会の地下を訪ね、参加者とインタビューを始めました。お話しした相手は、環境的人種差別の被害を直接被っている住民やアクティビストの方々でした。今までは環境的人種差別をデータを用いてマクロに学んでいたものの、関係者から実体験を直接聞く事により、環境的人種差別に対する住民の経験や考え方を具体的にお聞きすることができました。
環境的人種差別に対する認知度を高めるには、記事にローカルな視点を取り入れるのが大事であると考え、その後も様々なイベントでインタビューを続けました。
そして、一月にはEEIが完了し、最終報告書が公開されました。137ページにわたる最終報告書は、エバンストンの環境的人種差別の歴史から、現状の問題定義や政策立案が含まれています。よって、私は放課後に市役所に向かい、市議会に出席してきました。そこでは、パブリックコメントとして十何人もの人々が環境的人種差別の思いをスピーチで訴えるのを聞き、興味深い発言をした人とは、後ほどお話を伺いました。
そして、司会議員による長い議論の結果、報告書は全会一致で採択され、私はEEIの総まとめの記事を書く作業に取り掛かりました。数多くの方々とインタビューをすると共に、コミュニティの人から信頼を得る事ができ、関連するイベントやミーティングに招待してくださるようになりました。このプロセスを通じて、市長や米国環境保護庁の職員などの公務員の方々から、地域の団体で活動するアクティビストや歴史家の方々などの、幅広い人と密接に関わることができました。そこから見えてきたのは、自治体とNPOの衝突や協力の姿勢、エバンストンコミュニティの繋がり、そして過去の人種差別的制度を是正する困難でした。
この経験は私にとって刺激的であり、取材のサポートをしてくださった大学新聞のスタッフの方にありがたく思っています。深夜まで記事の添削に付き合ってくださったり、私の記事を出版していただけることに、常に感激しています。
【リサーチ・プログラム】
その後、私は環境的人種格差をさらに深掘りしたく、秋学期に受けた「SOC 235-0-20 Critical Thought on Race and Ethnicity」という授業の教授にメンターとしてついてもらい、研究を始める事にしました。これは、地理情報システム(GIS)を用いて、特定の地域の環境的人種格差の状況を分析する研究であり、大学から研究助成金を頂いて行います。研究計画書を作成するにあたって、様々な教授やOUR(Office of Undergraduate Research)と研究デザインについて議論する日が続きました。人種的環境格差は比較的ニッチな分野ですが、これに関して没頭して話しあえる環境に恵まれていると感じました。

春休みでは、シカゴにおける環境的人種格差をより学びたく、大学主催のプログラムに参加しました。これは一週間シカゴ市内に滞在し、シカゴの環境的人種差別などの歴史を学びながら、地元のNPOでボランティアをする全額無料のプログラムです。実際、シカゴはアメリカでも最も人種隔離が深刻な都市であると言われています。その中、私達は歴史家とレッドライニングの対象地域を訪ね、レッドライニングの影響を目で確かめたりしました。また、シカゴにはブラックパワー運動や公民権運動の拠点となった歴史的建物があります。例えば、マルコムXで有名なネーション・オブ・イスラム(黒人民族主義運動に貢献した宗教/政治組織)の拠点となるモスクや、公民権運動を加速させたリンチ事件で知られるエメット・ティルの実家などがあります。私は冬学期に公民権運動に関する歴史の授業を受けていたため、授業で扱った出来事や人物に関連する場所に訪れる事で、より深い学習になりました。このように、シカゴに結びついた授業やプログラムをノースウェスタン大学は提供しています。
<文系の魅力>
これらの経験を通じて、私は今まで以上に人種的環境格差に関して学ぶことができました。アメリカの大学で文系科目を専攻する魅力は、大学周辺の地域と関わる事により、体験的な学習ができる事であると思います。良くも悪くも、アメリカでは様々な歴史的/政治的な出来事があり、背景多彩な人が集まっています。そのような環境に身を置き、色々な人と向き合う事により、新たな価値観を吸収し、自分の視野が広げる事ができるのが、アメリカ留学の特徴であると思います。
少しでもアメリカで文系科目を勉強したい方の参考になれば幸いです!





















