
今回は、SAT Subject TestのMathematics Level 2 (Math 2)の範囲・対策方法を話したいと思います!
試験範囲・対策
Math 2の試験範囲は基本的に中高で習った数学(数学IA, IIB)と同じです。しかし、以下に示している通り、一部理系しか習わない範囲(数III)または日本の中高では扱わないものもありますので、対策を書いておきました。括弧内に、その範囲を学校で習わない生徒の区分(文理)を書いています。
複素数(文系):複素数と言っても、数IIで扱う式を整理するだけの問題が多いので、あまり心配はしなくて良いです。ただし、複素数を複素数平面で表す問題もあるので、文系の生徒は数IIIの教科書を読んでみることをお勧めします。
行列(文系、理系):これは現時点では数IIIでも扱わないので、文系・理系どちらも練習する必要があります。しかし、計算は簡単で、行列同士の足し算、引き算、掛け算、行列式の求め方などを分かっていれば基本的に大丈夫です。後は、計算機を使って行列で連立方程式を解く問題もあるので、計算機の機能(特に簡約化:rref())を確認しましょう。大学の線形代数のレベルは要求されません。Barron’sかネットで練習問題を探して、解きましょう。
極限(文系):数IIBでは数列の個数がある値で止まっていましたが、ここでは例えばとすると(
項数Nを無限大まで飛ばした場合)どうなるか?という話です。式変形のパターンを押さえれば大丈夫なので、数IIIの教科書またはチャート式の練習問題を解きましょう。
級数(文系):無限等比級数の和が聞かれる時があります。これは、極限を分かっていればすんなりと理解できます。要するに、数IIBの等比数列の和で、公比rを無限大まで飛ばしたらどうなるか(有限値に収束するか、発散するか)という話だけなので、すぐ終わります。これもまた数IIIの教科書またはチャート式の練習問題を解きましょう。
逆三角関数(文系・理系):これはかなり重要です。なぜかというと直接逆三角関数を聞いてくる問題は少ないですが、色んな図形問題に盛り込んであるからです。大雑把に言うと、,
などが綺麗な値(
など)でない時に、どう言う風に角度
を求めるかと言う話です。これは、SAT Math 2の対策本(Barron’sなど)またはネットで練習問題を探して、練習しましょう。
区分的、(再帰的、媒介変数表示された関数など)(文系):関数の極限がその点で存在して、そこで連続かどうか、と言う問題です。また、二次曲線(楕円、双曲線)の媒介変数表示が時々出るので、数IIIの教科書、チャート式の練習問題を解きましょう。
放物線※、楕円、双曲線(文系):数IIIで扱いますが、式の形や式変形に関しては円の方程式の場合とそこまで変わりません(中心求める為に平方完成する、など)。後は、楕円が縦長か横長か、双曲線の漸近線は何か、などを分かれば大丈夫です。数IIIの教科書、チャート式などの練習問題を解きましょう。
※放物線は全員が中学で扱うと思いますが、数IIIで習う の標準形で出題され、Math 2では焦点と準線の知識も必要です。
極座標(文系):点をではなく、動径
と偏角
で座標を表す座標系です。
から
を行ったり来たりできれば基本的には大丈夫です。数IIIの教科書、チャート式の練習問題を解きましょう。
グラフとプロット、最小二乗回帰(文系、理系):表でと
の値が与えられ、それを元に近似曲線を求める問題が頻出です(例えば、物体のx座標と高さが与えられて、計算機に入れると放物線になっていて、その運動の軌跡を求めると言う問題)。これは計算機がないと早く解けないので、各データのプロットの仕方、そして近似曲線の求め方を練習しておきましょう。やり方は計算機のモデルによるので、説明書を読むか、解説動画を探しましょう。
…という訳で、色々勉強する量が多いように見えるかもしれませんが、サラッとやるなら数日、練習問題や例題を全て解いてガッツリやっても(合計でも)数週間で終わると思います。自分が文系で範囲を習っていないからMath 2受けたくない、と思うかもしれませんが、過去の先輩の多くは最低1回はMath 2を受けています。
例題
【例題1】The number of hours of daylight, , in Hartsville can be modeled by
, where
is the number of days after March 21. The day with the greatest number of hours of daylight has how many more daylight hours than May 1? (March and May have 31 days each. April and June have 30 days each.) (College BoardのSample Questionsより)
(A) 0.8 hr
(B) 1.5 hr
(C) 2.3 hr
(D) 3.0 hr
(E) 4.7 hr
答えは選択肢(A)ですね。まず、太陽が出てる時間が一番長い日を求めましょう。関数を見ると、
は
すなわち
days の時に最大値を取ることが分かります。もちろん厳密に言うと周期関数なのでこの時刻だけではないですが、今回は
を求めているので
daysで計算しても大丈夫です。ここで、問題文に”the day”と書かれていることより
なので
daysとなりますが、
days の時の方が
が大きいことはすぐ分かると思います(計算して確認してもOK)。よって、求めるべき
という結果になります。雰囲気的にSAT Reasoningの方のMathとそこまで変わらないところが印象的です。
【例題2】What is the measure of one of the larger angles of a parallelogram in the plane that has vertices with coordinates (2,1), (5,1), (3,5), and (6,5)?(College BoardのSample Questionsより。選択肢は省略。)
これもまた普通のSAT Mathに出てきそうな問題です。本当にただの図形問題で、強いて言えば計算機を使用しない日本の高校数学ではあまり登場しない三角関数の逆関数を使えるかがポイントになるでしょう。解法は色々あります。一番単純なのは実際図形をxy平面で書いてみて、頂点3つを使って三角形を作り、余弦定理を用いる方法ではないでしょうか。例えば、(2,1), (3,5), (6,5)からなる三角形を選び、求めるべき角度をと置くと、余弦定理より
を得ます。ここで逆三角関数を用いて
と答えが出ます。
【例題3】
| x | -9.8 | -0.9 | 5.2 | 8.8 |
| y | 0.12 | 2.43 | 18.46 | 68.4 |
Which of the following equations best models the data in the table above? (College BoardのSample Questionsより)
(A)
(B)
(C)
(D)
(E)
既にSAT対策を始められている方なら分かると思いますが、問題の内容自体は簡単なのに、最初のうちは計算機の機能がよく分からない為このような問題で引っ掛かることがあったりすると思います。しかし、SATのMath 2では必ずと言って良いほど回帰曲線を求める問題が出題されるので、使い方に慣れることが大事です。計算機のモデルにもよりますが、一般的には表の値を計算機のスプレッドシートに入れ、”◯◯Regression”を選びます。今回はExponential Regression(指数回帰)が良さそうなので、それを選んで一番近い選択肢を探します(今回は選択肢(D))。回帰機能が付いている計算機を購入するのが一番良いですが、一応高度な関数電卓を持っていなくても問題は解けます。例えば、今回はxが増えるにつれyも増加しているので、まず負の係数が付いている(A), (B)を候補から外せます。ここで残った候補を計算機で合うか試して答えを出すことも可能です。
難易度
問題の難易度に関しては、そこまで難しくなくて、思考力を試す問題(日本の大学入試の二次試験の問題)よりかは、計算問題の方が多い印象です。試験時間は1時間で、問題は全部で50問ありますので、一問につき1分以内で解き、残りの10分はマークシートへの記入・見直しの時間に回せると楽です。
試験の難易度や受験者の出来具合にもよりますが、大体50問中45問以上正解していれば、800点(満点)に換算されますので、特に日本の受験者からすれば高得点を出し易い科目です。逆に、ケアレスミスをすると、素点から-0.25点減点され、周りと差がつき始めてしまいます。最難関私立大学、または上位州立大学で自然科学・工学系専攻を目指す場合は、出来る限り満点(近く)を目指しましょう。以下の写真は僕が実際に受けた時の結果ですが、800点でも79th percentileであり、21%の受験者は満点を取得していたということが分かると思います。

Math 2を受けるかどうか迷っているなら、一回College Boardの例題を解いて見ましょう:
とりあえず、Math 2の範囲と対策方法でした!これからSAT Subject Testシリーズでどんどん出して行くので、見て頂ければ嬉しいです。



