Engineering Analysis IIは Physics 135-1(力学)の工学部版で、同じような内容を扱うものの、例題がより工学向けになっているのが特徴です。また、プログラミングや線形代数が前提知識となっています。McCormick School of Engineering全員が履修するEngineering Analysis Sequenceの2つ目です。
工学部全員が履修しなければならないEngineering Analysis IIではStaticsとDynamics(静力学と動力学)を学びます。Staticsでは、静止している物体や系を扱い、構造力学に似ております。また、工学部向けの授業なので、物理学の授業での例題は抽象的なものが多い一方、Statics and Dynamicsではエンジニアとして実際直面するような例題が多く用意されています。例えば、色んな種類の支持(supports)や梁について学び、橋などの各部材に働いている力を求める問題などがあります。高校の物理の授業は抽象的な問題を扱うことが多かったので、導出した数式に複雑な値を代入し、計算機で最終計算をするのは新鮮で慣れるのに時間がかかりました。ただ、実用的な例題が多いため、最近街を歩いて屋根などの構造を見かけると、「あ、例題にあった構造だ!」と気付くことが多く、中々面白いです。
上:Staticsの基本問題としてよく出題されるようなトラス(truss)。トラスの各部材(member)に生じる軸力(axial force)を全て求める場合、節点法(method of joints)を使い、特定の部材の軸力のみが必要な場合は切断法(method of sections)が便利になってきます。トラスの問題は図が矢印だらけになり、計算がやや多いですが、何か現実味があって面白いです。日本の大学の建築学科の学生が履修する構造力学と扱っている範囲が似ているようです。
DSGN 106-1 + ENGLISH 106-1: Design Thinking and Communication I + Writing in Special Contexts
Northwesternの工学部の特徴の一つは、工学部の1年生全員にデザイン思考とコミュニケーションを履修させることです。Design Thinking and Communicationでは、講義でデザイン思考や実際エンジニアとして社会に出た時に必要な知識や技術を学びながら、実際のクライエントとマッチングされて、クライエント側の要望に応えられるような商品を作ります。そのために、Ford Motor Design Centerの地下にある機械工作用の道具や機械の使い方を学び、実習を通して技術力を育てます。
ノースウエスタン大学に進学すること決めた理由として、研究活動が盛んに行われている総合大学である一方、アーツ系も充実していると言う点があります。これは「授業」ではなく、吹奏楽部的な組織ですが、音楽を専門にしている教授のもとで練習を行います。吹奏楽団は音楽専攻(Bienen School of Music)の学生と、音楽専攻以外の学生用の2つの組織に別れています。毎学期、学期の2週目にオーディションがあり、オーディションの結果によって入団やパートが決まります。
ノースウエスタンは四学期制の学校なので、1年3学期(夏は基本的には夏休みだけど、お金を払えば授業をとることもできます!)、1学期10週間+期末試験の一週間、というスケジュールです。その上、ノースウエスタンのワインバーグ大学(College of Arts and Sciences)は特別なReading Weekというシステムも導入しているため、私は一学期実質9週間の授業と、1週間の勉強期間、そして期末試験が最後にある、というスケジュールです。一学期につき授業を四つとる、というが基本です。それでは、私の秋学期と冬学期の授業紹介です!
秋学期!
English-105-6: First Year Seminar: How to Become an Expert in Roughly 10 Weeks
ワインバーグでは、”First Year Seminar” というWritingの授業があって、ワインバーグの大学一年生は全員このような授業を二つ、二学期に分けて受けます。でもFirst Year Seminarは様々な種類があって、抽選みたいな感じで、どのセミナーを受けるか決まります。(興味がある方は、このリンクを!今年の春学期のセミナーの一覧表です)How to Become a …はセミナーの中でも結構特化している授業で、先生がなにかについて教える、という形ではなく、自分で何についての”専門家”になりたいかを決めて、それについて10週間リサーチをし、最終的に10ページのエッセイを書くという感じです。教授はリサーチの手伝いや、エッセイを見直してくれる、という感じでした。ちなみに私はパラリンピックのクラス分けについて書きましたが、他のクラスメイトは地球温暖化だったり子供へのSNSの影響などの”専門家”になっていました。自分の好きなことに集中できる、というのが私はとても気に入りました。しかもその上、他のクラスメイトたちの発表なども聞けるので、色々なことを学べてとても楽しかったです。
Art History 340-2: Baroque Art: Rembrandt
WeinbergにはDistribution Requirements,という、自分の専攻以外にも取らなければいけない授業の種類があって、その中の一つに歴史に関する授業を二つ取らないといけない、というのがあります。しかし私は歴史がとても苦手で嫌いなため、どうすればこの条件を歴史を取らずに達成できるか、を色々考えた結果、二つの授業のうちの一つはAP World Historyの単位がカウントされるので、私は実質一つだけ取ればいい、というのに気づきました。その上で美術史にもそこそこ興味があったので、この授業を受けることにしました。しかし私は美術史の授業は以前に受けたことがなかったので難しくないかな、と少し心配でしたが、教授の方がとてもやさしく、授業も一般的な美術史ではなく、レンブラント、という一人の画家に特化した授業だったのでとても面白かったです。試験などは一切なく、全てエッセイだったのもとても助かりました。笑。
History 360 Tudor and Stuart Britain: イギリスの歴史のクラスで、ヘンリー八世の治世から始まり、チャールズ二世の治世で終わります。ヘンリー八世が妻と離婚するためにわざわざ新しい教会を作ったり、エリザベス一世がスペインの大艦隊の侵略を防いだり、各世代の王や女王たちが宮殿で「お気に入り」達とあんなことやこんなことをしたり、イギリスを議会ごと爆破しようとしたテロが未然に防がれたり、議会が王(チャールズ一世)と戦い、イギリスが絶対君主制から議会君主制へと移行したりと、波乱万丈のイギリス史を学べます。教授もとても面白い人で、最後の授業の日は60人くらいのクラスの前で歌ってくれました。
エリザベス一世
2020年冬学期
Math 220-2 Single Variable Integral Calculus: 全学期とった220-1の続きです。名前の通り、単一変数積分です。以上です。
DSGN-106 Design Thinking and Communications: これぞまさにエンジニアリング、と言う感じの授業です。この授業は、実際の社会では工学系のプロジェクトはどう遂行されるのか、そしてエンジニアとして働くにはどんなスキルが必要なのか、といったことに焦点を当てています。具体的には四人一組のチームに分けられ、実際のクライエント(私の場合はシカゴのSherly Ryan AbilityLab という病院で働く医学療法師の方)を割り当てられ、その人が必要としているような物を作り上げる、という内容になっています。プロジェクトを進めていきながら、エンジニアに必要な知識(設計図の描き方、特許の取り方、工業規則・基準、等々)やスキル(物作りに必要な道具の使い方など)を学びます。これも、ほとんどの工学部の学生は取らなくてはならない授業です。日本の大学や、アメリカの他の大学でも、一年生からここまで実践的なことを学ぶ授業というのは珍しいのでは無いでしょうか。
試作品の一つ
HISTORY 345-2 History of Russia, 1700–1917: また歴史のクラスです。歴史第二専攻なので当然ですね。名前の通り、ロシア史です。ピョートル一世によるロシアの大改革、ヨーロッパ文化と制度の取り入れから始まり、1861年の農奴解放、第一次世界大戦を経て1917年のロシア革命で終わります。このクラスは、前学期のイギリス史よりもかなり小さい(15人くらい)です。ロシア史もまた盛りだくさんで面白いのですが、教授は来年定年退職する、という話を聞いたので、残念ながらこれを読んでくれている皆さんがもしノースウェスターンに来てもこの授業は取れないかもしれません。
CRDV 301: Introduction to Career Development: 0単位の、週1回1時間のキャリアー関係のクラスです。McCormick(工学部)のキャリアアドバイザーが、履歴書の書き方、仕事やインターンシップの探し方、インタビューの基本、そして採用側の裏話など、将来役立つことを教えてくれます。まあとって損はないんじゃ無いんでしょうか。
・Islamophobia:10人程度のセミナー。イスラム教徒に対する偏見がどのようにして作られているかを人種、公共政策、キリスト教の影響、西欧中心主義などの観点から分析します。リーディングがベースですが、クラスではディスカッションが中心。Edward SaidのOrientalismを読んで西欧がどのように東洋という観念を作り上げ、さらに西欧国家の利権を拡大するために利用したかなどを理解した時は自分の視点が文字通り覆されるのを感じました。宗教のクラスに分類されます。 ・Making the Modern Middle East:Middle East and North Africa Studiesのクラスで、40人規模。リーディングを元に、「中東」とはそもそも何を指しているのか、どのようにして作られたコンセプトなのか、といった質問に対して政治体制、西洋文明との関わり、民衆運動などの観点から向き合います。リーディングを元にレクチャーを受ける形式なのですが、生徒と教授の距離が近く質問しやすい環境です。 ・Political Economy of Development:3、4年生の多い発展レベルの政治学の授業。授業ごとに2つリーディングが課されるのですが、発展政治学の礎と言える政治理論を読みこなしてもまだ教授の投げかける質問が鋭いため、事前準備に一番時間をかけている授業です。とにかく知識豊富な教授で、毎回リーディング課題の読みの深さに唸らされます。 ・Ethical Issues and Public Problems:80人規模の哲学の授業。フェミニズム、環境問題、言論の自由など多岐にわたる社会問題を哲学の理論を用いながら議論する形式です。カバーする問題があまりに大きいことに加え、レクチャー形式なので思ったほど深く突っ込めていない感じが正直今一つ満足しきれていません。 ・アラビア語:言語は継続が鍵!ということで前学期に引き続いての受講。授業ではスタンダード(MSA)を習うのですが、実際に中東で使われるのは方言なので夏休み中のレバノン留学を狙っています。