Year 2: 冬学期授業紹介(海の民)

冬のミシガン湖

みなさんお久しぶりです。冬学期も無事終わり、Evanstonでぬくぬく春休みを謳歌している海の民です。毎回恒例の授業紹介を書いていこうとおもいます(というかそれ以外にネタがありません。誰か助けて)。今学期は入学以来初めて全部の授業を機械工学専攻の必修科目で固めてみました。Readingもエッセイもディスカッションもなく、ただひたすら数字と専門用語とギリシャ文字と向き合う学期でしたが、思っていたより虚しくはありませんでした。

GEN_ENG 205-4: Engineering Analysis IV

工学部の学生のほぼ全員が取る4つのEngineering Analysisのうちの最後の授業です。EA4では、主に数値解法などを用いて連立微分方程式の解き方を学びます。お馴染みのMATLABもたくさん使い、人口推移や電気回路のシミュレーションもしました。

毎週末提出の宿題の他に、2週間ごとに取るテストと、4〜5人で協力して取り組むLabが3つありました。上記のシミュレーションなどは主にこのLabでやり、Matlabで作ったコードを使用して結果をレポートにまとめる、というものでした。

この授業でEAは全て取り終わりました。正直1年生の時にEA1を取った時は、なんでこんな自分の専攻と関係のない授業を取らないといけないんだ、と不満に思っていましたが、見返してみるとどの工学分野でも必要になってくる大切な内容だったなあと思います。

MATH 228-2: Multivariable Integral Calculus for Engineering

その名の通り、多変数関数の積分について学ぶ授業です。線積分と面積分から始まり、グリーンやストークスの定理も勉強しました。工学を学ぶ上で必ず必要になってくる知識なので、複雑な内容もありましたが頑張って損はないです。

MECH_ENG 222: Thermodynamics & Statistical Mechanics I

熱力学第0法則から始まり、第1、第2法則を学んだのち、エントロピーと第3法則について学びました。熱力学の基本について学べる授業で、エンジンや冷蔵庫などの熱力学的な仕組みについても学び、最終日にはサイクロンの簡単な仕組みについても学びました。熱力学は機械工学を学ぶ上でも重要な内容ですし、エンジンの話などは特に興味もあったので、不満な点はありましたが全体的には取れてよかった授業です。

PHYSICS 135-2: General Physics

微積分学を用いた物理の授業です。基礎物理は135-1, 135-2, 135-3の3つの授業があり、機械工学専攻の学生はそのうち-2と-3をとります。135-2では主に電気と磁気について学びました。ほぼ毎週小テストがあり、加えて中間と期末試験があったのですが、全てでロックダウンブラウザーを使わなくてはいけませんでした。カンニングを防ぐ必要があるのはわかりますが、学生のプライバシーについてももう少し考えて欲しいと個人的には思いました。

PHYSICS 136-2: General Physics Lab

上記のPhysics 135-2と連動した実験の授業です。今学期は全てリモートだったため、実験といっても全てパソコンでシミュレーションを用いて行いました。Labは毎週1回、2時間で、ワークシートの流れに沿って実験を行い、結果を書いて提出するといった内容でした。各週の実験内容も概ね上記の135-2で学んでいる内容と連動していて、135でわかりにくかった内容を理解するのに役立ったりもしました。対面で物理の実験授業を取ったことがないのでなんとも言えませんが、個人的にはかなり楽な授業ではありました。

まとめ

今学期も授業は全てオンラインでした。アメリカでは3月からコロナが広まりだしたので、ちょうど丸一年経ったことになります。色々と大変な一年になってしまいましたが、そのおかげで私は数年ぶりに日本で桜を見ることができたし、自分が本当に将来やりたいことについて嫌というほど考えることもできたので、全てが悪いことではなかったと思います。

【授業紹介】2年目 秋学期

お久しぶりです。オンライン授業の2学期目に入り、感覚も(そして体内時計も)徐々にこの「新しい日常」を受け入れつつあるところでしょうか。僕は久しぶりに高校を訪れて、パソコンの画面ではなく黒板に向かって生で授業を受ける生徒の姿を見て思わず感動してしまいました…笑

と言う事で、遂に秋学期の終盤に入ってきたので、恒例の授業紹介をしていきたいと思います!

実際の紹介の前に少し説明を入れると:

Quarter System(3学期制)であるNorthwesternで一般的に推奨されているCourse Load(1学期ごとの履修科目数=credits)は4 creditsで、更に工学部の場合は理数・工学系の授業2つ、その他1-2つと言う内訳が勧められていますが、秋学期も1年目の春学期と同様に5つの授業(厳密には5.33)を履修することにしました。また、秋学期に選んだ授業は全て理数系(・工学系)です。理由としては、

  1. 新型コロナで家に篭っている(いなければいけない)時間が多いので、どうせならその時間を有効に使いたい。クラブや課外活動の活動範囲等が減った分を授業に回して少し先取りをすることによって、以前の生活に戻った時に比較的余裕が出る。
  2. Double Majorの専攻が共にMcCormick School of Engineering and Applied Science(工学部)の専攻で(=必須科目が多い)、高校がインターでなかったためAP Creditをあまり持ってないので、4年間で卒業したければ授業を5つ(今回は5.3 credit)取らなければいけない学期が多少増える。
  3. アメリカの大学(特にNorthwestern)のカリキュラムの柔軟性を最大限に利用して、出来る限り専門科目で先取りしたい(特に研究のために必要な基礎理論の知識や手法を早めに習得したい)。
  4. 文系の授業も取りたいが、それらの授業ではディスカッションが主な柱になるため、新型コロナの収束を待ちたい。

では、これらを踏まえて授業を紹介していきたいと思います:

ES_APPM 395: Methods of Applied Mathematics(偏微分方程式)

応用数学専攻として取る一番最初の授業です。学科自体がMcCormick(工学部)に所属しているため、応用数学専攻の授業に関しては結構数理物理学色が強い印象です。実際、内容としては工学(流体力学、化学工学、電気など)・自然科学(主に物理学、化学)の現象をモデル化する数式の解き方が扱われました。理由としては、自然現象を支配する法則の多くは物事が起こる速さ(変化率)を関連付ける数式であることが多いから、と言うことらしいです。

上:授業の初日に、微分方程式を学ぶ動機として紹介された表。すべてが微分方程式ではないものの、物理学から経済などの重要な方程式の多くが微分方程式として表されています。(引用:Business Insider)

EES_APPM 395は元々ES_APPM 311-1(EA4で扱われない常微分方程式の解法), 311-2(偏微分方程式)と2つの授業に分かれていましたが、今年からこれらを一つの授業にまとめられました。その分ペースがかなり早く、〜400ページ近くの教科書を一気に進めていったため、毎週の課題が何十ページにも及び、扱った内容を次の日までに漏れなく理解しなくてはならないというところでやや大変でした。

教授は凄く優しい方で、Office Hours (Zoom)に行くと大学院進学や奨学金などの相談まで乗ってくれたり、質問をしやすいようにPiazzaと言う掲示板機能の追加をお願いするとすぐPiazzaのサイトを作ってくれました。クラスの構成自体はほぼ50% (ES_APPM 252 Honors Calculus, GEN_ENG 206-4 Honors EA4で同じだった)Honors数学のメンバー、40%大学院生、10%その他(3年生の学生など)でした。特に大学院生とは普段関わりがあまりないため、一緒に授業を受けるのもなかなか新鮮でした。

MECH_ENG 241: Fluid Mechanics I(流体力学I)

日本(の大学)の機械工学科で「4力」と呼ばれる学問の一つです。高校の頃、機械工学科を卒業したJAXAの技術者の方と話した際に、この「4力」の知識がいかに大事かの説明を受けました。簡単に説明すると、この「4力」は材料力学、機械力学、熱力学、流体力学の4つの力学の分野で構成されていて、いかなる機械の設計において最低限知っていなければならない知識を指しているようです。

実際、流体力学の応用先と言うとまず思い浮かぶのは船や飛行機であることが多いでしょうが、この授業を通して流体力学がその他様々な機械などで応用されていることを知りました。例えば、表面張力に関連している現象であるelectrocapillarity(電気毛管性)を応用して、電圧を変化することによって接触角を変えられることを用いて、素早く焦点を変えられるvariable-focus liquid lens(可変焦点レンズ)などが可能になっているらしいです。また、Kindleなどの画面ではelectrowettingと言う(同じような)現象が利用されているようです。

上:最大5000rpmのトップスピンをかけるRafael Nadal.(引用:The Wall Street Journal)

他にも、昔サッカーボールを変な角度で蹴ったり(もちろん選手らはわざと回転をかけていますが)、ピンポン球などに回転をかけて投げると空中で球が変化するのを不思議に思ったことがありましたが、これも流体力学が絡んでいます。流体力学で出てくるベルヌーイの定理(流体における力学的エネルギー保存則のような式)によると、球の回転によって周りの空気が速く・遅くなり、球の変化を生む圧力の差が発生します。よって、テニスで強打しても、ナダル並みに順回転をかけることができればちゃんとコートに治るエッグボールになり、逆に十分な逆回転をかければ、フェデラーみたいにコートの上を滑っていく綺麗なスライスが飛んでいきます。

今回の教授は春学期のEA3と同じ方で、相変わらず分かりやすかったです。春学期のEA3の時は時差のため授業にライブ参加できず、教授と直接話すことができなかったのが残念でしたので、今回は生で見れて良かったです。また、Office Hoursが他の授業の時間と被っているためいつ直接話に行けるのだろう、と悩んでいたところ、運良く毎年恒例(らしい)の定期試験の最高得点取得者の「優勝インタビュー」の対象に選ばれ、教授とTAと直接話す機会が生まれました。最初は勉強法などの話を聞かれていたのが、日米(と教授が出身のインド)の教育システムの違いの話になり、最終的にはベンガル語における日本語の敬語に相当する言語表現や、教授の奥さんが日本語を勉強していることなどの話に展開し、楽しい時間を過ごすことができました。その後も教授のお勧めの、より数学的側面を意識して書かれた流体力学や理論物理学の教科書を勧めてくださり、「仲良く」なることができました。

宿題は毎週教科書の章末問題から5問程度で、中間・期末テストとSelf-Directed Labのレポートで成績がほとんど決まるシステムになっていました。後者は流体力学に関する自由研究をグループでする課題です。教授が昨年度の高得点を取得した自由研究プロジェクトのレポートを参考までに配布してくださったのですが、中には“How Bernoulli would have shotgunned a beer”などの大変興味深い、(かつ実用性のある?!)研究を行っていたチームもあったようです。僕は仲良かった機械工学専攻の友達2人と、春学期のHonors EA4で「オンライン」で知り合ったクラスメイトと4人で容器の横の高さの異なる穴から放出される流体の軌道の包絡線の算出・観察と、ベルヌーイの定理の条件(例えば、安定した非粘性流体であること)を満たさない流体の場合の軌道・包絡線の変化を調べました。

来学期のME 373: Engineering Fluid Mechanicsでは更に数学的に掘り下げて、最終的には航空宇宙工学への応用先が扱われるらしいので楽しみです。

優秀な後輩も一緒に受けてくれるので安心w

MECH_ENG 233: Electronics Design

(引用:Northwestern McCormick School of Engineering, Mechanical Engineering)

機械工学専攻の電気回路、と言うよりも名前の通りエレクトロニクスをデザインする授業と言った方が妥当でしょう。他の授業がほとんど理論ベースである一方、この授業は凄くhands-on experience(実際自分の手で作ってみる体験)重視でした。授業は週に3回あり、毎日新しいアナログ(後半はデジタル)回路の部品が紹介され、その性質などの説明を受けた後、次回までの宿題として回路を設計する授業でした。授業が始まる1週間ほど前にnScopeと言う、この授業を担当している教授方が開発したオシロスコープ・信号発生器がくっついているブレッドボードやトランジスタ、Siダイオード、スイッチ、スピーカー、アナログ・デジタルチップなどの部品が送られてきます。宿題では毎回ある機能を持つ回路をデザインする課題が3つ程度与えられて、授業で習った性質などをヒントにしながら、基本的には自分で試行錯誤しながらデザインをします。

特に学期の後半の方の宿題(電子サイコロなど)はかなり長く、2日に一回宿題が出されること自体が大変でしたが、回路が動いたときの達成感は半端なかったです笑。また、自分でどの部品を使うのかを選択したり、その部品の性質を長いデータシートから読み取らなければならないため、(今振り返れば…)特に理論好き(理論寄り)である僕にとっては色んな意味で良い経験だったとは思います。

ちなみに、3回ある試験では、紙で計算問題を解くだけではなく、実際に60分以内にまさに0から回路図を考えて、エレクトロニクスデザインをしなければなりません。最後の試験で時間が迫ってくる中、焦ってNAND Gateで指を刺してしまいました。痛かったです(泣)。

PHYSICS 135-2, 136-3 (Lab): General Physics (Electricity and Magnetism)

General Physics Sequence(一般物理学)の2つ目のコースで、トピックは電磁気学でした。Weinbergの自然科学系の専攻の人は135-1(力学)から受け始めるのですが、工学部の場合はEngineering Analysis 2(構造力学)と言う授業が135-1の代替となるので、135-2からの参加となります。

内容自体はどの国の学部生でも教養課程で学ぶであろう電磁気学です。イメージ的には、高校物理で教科書で証明なしで出てきてた公式はどこから来たのか?と言う数学的な背景を学ぶ授業でした。

この授業の特徴的な点は、その内容よりは、授業のやり方自体でしょう。Flipped Classroomと言う言葉が既に存在しているようですが、まさにその通り、今までの授業と「真逆」、と言うほどではないものの、授業時間をいかに有効に使うか?と言うところを良く考えられた授業でした。具体的に言うと、Sapling Physicsと言うウェブサイトで授業前までに「予習」として各トピック10-20分程度のPre-Lecture動画と小クイズが課され、授業自体はその章の内容の復習と、動画を見て分からなかったことを質問できる時間として使われました。また、最後の20分は、Whiteboard Questionsと言う、3−4人のグループで一緒に解くための問題が課され、授業終了後に自分の答案を提出する仕組みになっていました。また、テスト自体もグループテストで、ZoomのBreakout Roomsに3−4人で分かれて、一緒に問題を解く、と言うシステムになっていました。最初の方は、勉強をサボっている人がちゃんと勉強をしている人を利用するだけではないか、と言う懸念がもちろんありましたが、テスト自体ではただ単に計算する問題だけではなく、(比較的「パクりにくい」)なぜその答えに至ったのかの理由・数学的導出が大事になってくるので、あまり問題にはなりませんでした。個人的には、最終的な数値などを他のメンバーと相談することができたので、計算ミスなどによる失点を減らすことができたのが嬉しかったです。

STAT 320-1: Statistical Theory and Methods

応用数学専攻には、Probability and Statistics Requirementと言う、確率・統計学に関連する授業を2つ取らなければならないと言う卒業条件があります。Northwesternには何故か統計学関連の授業を教えている学部が複数あり、僕の所属している応用数学科は「確率・統計の授業だったら何でも良い」と言うことだったので、Department of Statistics, Industrial Engineering and Management Systems, Mathematics, Psychology, Chemical Engineering, Biomedical Engineering, Mechanical Engineering, Electrical Engineering and Computer Scienceの統計学の授業から選ぶことができました。学ぶ内容は大体同じですが、それぞれの学部で異なるアプローチが取られているのが興味深いです。例えば、MathematicsとStatistics学部は数学的な厳密な理論を教える一方、他の学部はそれぞれの分野のコンテキストで必要なスキル(Industrial Engineeringの場合、Rなど)に集中したりするらしいです。僕は統計学の定理の証明に重きを置くStatistics Departmentの授業を取ることにしました(二重専攻で統計学専攻の友達も多かったので、一緒に授業を取りたかった、と言うのもありました)。

STAT 320-1は統計学専攻ではWeed Out Classとして少し悪名高い授業ではあることは、Northwestern内部のCTECSと言う授業評価システムのレビューを読んでいたので、ある程度知っていました。Northwesternの統計学の学部自体が小さい方であるのと、最近人気のデータサイエンスの流行りに乗って統計学の数学的側面を甘く見ている人を篩い落とすために、Weed Out Classにしていると言う説も聞いたことあります。

最初の宿題の問題の一つで答案の記述の説明が少し違っただけで宿題全体の評価で30%程度減点されると言う「アクシデント」などがあって、この悪名高い授業を取ったことを少し後悔していた時期も最初の方ありました。また、テストに出される問題は授業・宿題などで見たことのない応用問題や、試験時間中に明らかに終えることのできない積分計算などがあったりしましたが、気付けば5週目ぐらいにはその厳しさに慣れていました。

GEN_MUS 115-0: Non-Major Piano and Organ

(あ、こんにちは。Spicychikenさんの直属の後輩にあたるShishoです。僕このクラスをとっていて、これが結構面白かったのでchikenさんと一緒に授業紹介することになりました。以下僕の文章です)

NorthwesternのBienen音楽院は全米でも有名ですが、実は音楽専攻でなくてもNorthwesternの学生であればBienenで音楽の授業を取れるのです。Gen_Mus 115-0では、Bienenで学ぶPhDの生徒さん(と言ってもそこそこの年齢ですが)が学部生に対しマンツーマンで週1回45分のレッスンをしてくれます。

授業料とは別にquarter毎に$315を払わないといけませんが、4ヶ月でこの値段だと日本の標準より安いし、先生も凄腕なので超お得です。僕の先生は台湾出身のヴィオラ弾きで、大統領の前で演奏したこともあるそう。その上ピアノも超上手くて、なかなか優しい先生でした。ちなみに奥さんは日本人らしい。

授業を受けるにはオーディションが必要です。お題は、初見演奏(簡単め、ムズめのどちらかを選ぶ)と自由課題(3分に収める)の二つ。僕は自信がなかったので結構ガチ目に練習しましたが、後々周りを見てみるとBeethovenの悲壮第二楽章なんか練習している生徒もいたので、そんなに思うほどハードルは高くなさそう。

で、授業で扱う曲は何かと言いますと、「相反するテーマ」。つまり、時代とか作風の違う2曲を扱います。僕はChopinのPrelude1, Prelude2, あとScarlattiのSonata K422を練習しました。(なんで3曲やってんねん、と言いますと僕の先生が「え、Prelude1やりたいの?短すぎね?じゃあ2番もしような」と足したため。) 

Quarterが終わると、最終的にみんなの前で演奏する機会が与えられます(かなりのプレッシャー)。けれど、今回はコロナで生徒が集まれないので、自分の演奏を撮影してGoogleドライブで共有する形になりました。僕、もうろくにScarlattiが弾けなかったので、撮影型で命拾いしました。

授業は正直、しんどかったですー。大体1週間に15時間は練習室にいたような気がします。けれど、これは選曲を失敗しただけで、簡単な曲を選べば絶対もっと楽だったと思います。(選曲はしっかりしましょう。僕みたいに何でもハイハイって言ってると気づかぬうちに数分の会話で鬼スケジュールが出来上がったりします。)

普段はBienenのメインホールの隣にあるRegenstein Hallで練習します。毎日朝の7時から夜の10時まで、個人練習室のYamahaのアップライトピアノが自由に使えます。東京ならアップライトが1時間千円・・と考えれば、やっぱり安上がりです。(僕、ケチですね。)

僕の主観と偏見によるこの授業の評価は、星5つ中⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️でした。来学期も取ろうと思います。

Year 2: 秋学期授業紹介(海の民)

どうも、お久しぶりです。長いこと何も投稿していませんでしたが、ちゃんと生存しています。さて、大学2年目の冬学期(はい一学期遅れの投稿でございます)も終わったので私が今回とった授業を紹介していこうと思います。ちなみに今学期も授業は全て日本からオンラインで受けました。

GEN_ENG 205-3: Engineering Analysis III

工学部ではほとんどの学生が取ることになる4つのEAの授業のうちの3つ目です。線形代数のEA1、動・静力学とトラスのEA2に続き、EA3では主にバネやダンパーなどの動力学的な反応や、それらと電気部品、水圧部品などの反応との相違点について学びました。(日本語下手ですみません、こちらが一応英語の説明文です…)。やはりEA3でもMATLABには残念ながら大変お世話になりました。課題は基本毎週1つあり、それに加えてMATLABを多く使うプロジェクトが2つありました。プロジェクトはDIY的な要素が強く、硬貨を重りに見立て袋にいれ輪ゴムで吊るし、先端部の動きをMATLABを使って数値化し式で表し、その式をもとに輪ゴムのヤング率などを求める、といったような内容でした。

授業は全部オンラインで受け、教授が理解のある人格者だったため試験は全てなくなり、課題と毎週授業の初めに5分くらいで受ける簡単なクイズのみで成績が決まる、というパンデミック仕様でした。さらには、課題やテストなどがいくつか重なってしまった週などではその週の課題をキャンセルするなど、とても柔軟な対応をしてくれて、学生としては本当に助かりました。今回のパンデミックでは教授の性格によって対応が大きく違っており、この授業のようにものすごく親身になって対応してくれる人もいれば、学生にロックダウンブラウザー(パソコンを使用中他のウィンドウを開けないようにし、試験中録画、録音されるシステム)を使わせ試験を受けさせる教授などもいて、授業の難易度などは残念ですが運要素が強くなっています。Northwesternではそこまで極端な教授はあまりいない気がしますが、他の大学がどうなのかあまり知らないのでなんとも言えません。今回の授業紹介では各授業での教授のコロナに対する対応などについても少し書いていこうと思います。

Mech_Eng 233: Electronics Design

主に工学部の2年生が取る電気回路の基礎を学ぶ授業です。BreadboardやnScopeなどの教材を使う、とても実践的な授業でした。学期の初めに教授が学生全員に必要な教材のセット(ナッパーやワイヤーなど必要な道具が全て入った袋)を送ってくれたため、リモートにも関わらず実際に手を動かして学ぶことができました。海外にいる学生にまでちゃんと送ってくれたのはありがたいと思います。授業ではこれらの教材を使って電気の習性や電気抵抗など、電気についていろいろ学びました。 学期の初めは高校の物理で学んだような基礎的な内容でしたが、週を重ねていくうちにどんどん発展していき、最終的には電子サイコロなど複雑だけど面白い機械などを作っていました。私は理論をひたすら学ぶよりも実際に手を動かして何かを作る方が好きな性格なので、割と楽しい授業でした。

Civ_Env 216: Mechanics of Materials

5つあるBasic Engineering Requirementのうちの一つで、物体の圧力に対する反応について主に学びます。具体的には、物体のある一点に力が加わった際にどこにどういう力が働き、どう歪むのか、そしてこれらの応用などについて学びます。内容的には、一年生の冬学期にとったEA2の発展版のような印象でした。余談ですが、読み返していて思ったのですが、私の過去の投稿の授業説明適当すぎました。過去のEA2の説明文を修正したので、もし宜しければそちらも読んでください。話を戻しますが、この授業は主に3、4年生の間に取るであろう機械工学の必須授業の基礎を築くかなり重要な授業のようで、多くの高レベルのクラスの前提必修科目です。

History 356-2: Twentieth-century South Africa: Racial Capitalism, Apartheid & Resistance

Nelson Mandela

みなさんは南アフリカという国名を聞くと、真っ先に何を思い浮かべますか?サッカーのW杯の開催がちょっと前にあったり、アフリカ大陸では一位のGDPを誇っているなど、”アフリカの先進国”といったイメージを持っている方も多いと思います。ですが、この国はついこの間(1990年代)まで、少数派の白人のみが参政権や土地所有権など独占していた、最も人種差別が深く激しい国の一つでした。アパルトヘイトという言葉を聞いたことのある方は多いと思います。この授業では、南アフリカという国がオランダ、イギリスの植民地をへてアパルトヘイトという制度を確立するまでに至った歴史的背景と、南アフリカのさまざまな人々による抵抗の歴史について学びました。日本ともアメリカとも全く違う国ではありますが、南アフリカの歴史はアメリカの差別の歴史と、ヨーロッパ諸国による植民地支配の歴史に通づるところが多くあり、アメリカや世界各地での人種差別に対する昨今の抗議運動を考える上でとても意味のある授業でした。

Poli_Sci 240: Introduction to International Relations

国際政治のイントロ的な授業で、近代以降の国際政治の歴史的な変遷や、その過程で生まれた色々な政治理論について学ぶ授業です。また、国際関係(International Relations, IR)という学問の分野自体の歴史的な変遷や改善点などについても学びました。外交に興味があり取ってみた授業ですが、正直思っていたよりも理論そのものについて学ぶことが多く、アカデミアだなあと思わせられるクラスでした。実際に起こった外交問題や使われた外交手腕などの詳しい分析のような内容を期待していたので、個人的には残念でした。

まとめ的な何か

いかがでしたでしょうか。実は今回はちょっと頑張って工学系の授業の説明も真面目に書こうとがんばりました(笑)。私はもともと文系科目の方が得意で、歴史と機械工学どちらが好きかと言われると歴史の方が断然好きです。なので私の過去の授業紹介を見ると、あからさまに歴史の授業に関して長々書いているのに、工学は2、3行しか書いていないという醜態が晒されていると思います。すみません、今回はがんばりました。まあそんなことはどうでもいいとして、みなさんもどうか体に気をつけてお過ごしください。

冬学期授業紹介

じょうもんです。残り2週間ほどあるのですが、モチベが高いうちに冬学期の授業を紹介しようと思います。

授業紹介とは関係がないのですが、思いつきで葉山に弾丸夕陽観光しに行った時の写真。QOL高い!

Arabic
お馴染みのアラビア語です。今学期からArabiyat al-Naasという新しい教科書を使用するようになり、内容がまた一段とずっしりしてきました。カイロの成り立ち、イスラム教の歴史など、リーディングをベースに新たな文法や語彙を習得しています。アラブ地域の文化的側面も含めて言語を身につけることができるので、この本は今までで一番気に入っています。

Middle Eastern and North African Studies: Arabs in the United States
人種に関する議論の中で、ヒスパニック系、アフリカ系、アジア系などと少し異なる立ち位置を取るアラブ系。肌の色ではホワイトのカテゴリーに入るのに社会的な差別は変わらず、さらにムスリムと同義に扱われたりと、アメリカにおけるアラブ人には多様なレッテルが重なります。そのようなアイデンティティの形成を軸に、ナショナリズムの影響や現在に至るまでのポジション確立への運動などを学んでいます。人種がこれほどまでに国家を動かしていると感じたのはアメリカが初めてだったので、アカデミックな視点でこのトピックについて深堀りでき、自分の経験をシンクロさせることができました。

Art History: Gender and Sexuality in Italian Culture
フェミニズムについての授業なのですが、特にフェミニスト的ユートピアとは何かを追求するアプローチでした。「女性の活躍を支援する建築」についてなどの文献を読むのはもちろん、そのようなユートピアを実現させた古典的なフェミニスト映画や芸術作品を毎週のように分析し、自分の中でのアカデミックな幅が一段と広がりました。この授業におけるフェミニズムではどちらかというと男女平等を単に目指すだけでない、積極的な女性の社会的ステータス向上に重きが置かれていたこともあり、授業に参加する度に自分の思考にかけられている制限の鍵を開けられる感覚に陥りました。イタリア文化とタイトルにはあるのですが、授業で取り扱った内容においてイタリア映画は氷山の一角で、アフリカ系アメリカ人のアーティストに焦点を当てることも多かったです。男性はもちろん、院生も参加する授業だったので議論に持ち込まれる視点が広かったことも興味深かったです。また、課題が短いエッセイ2つとファイナルプロジェクトのみで、個人的には気を張らずに受講することができました。ちなみに私は家事の持つ社会的・ジェンダー的な役割をリセットする映画のプロットを書く予定で、量的には膨大なのですがアイデアを膨らませるのを結構楽しみにしています。

Fundamentals of Computer Science
親しい人がプログラミングに詳しかったこともあり、ノリで取ってみた授業。既存知識による成績の格差をなくそうという目的から、Racketというとてもマイナーな言語を使ってプログラミングの基礎を教わりました。全くの門外漢なので、新しい知識を吸収している感覚を高校以来初めて味わいました。ただ、自分の性格もあるかとは思いますが、プログラミングを学んで〜〜がしたい!といった目標がないと、おもむろに学ぶだけではモチベーションの向上がこの先難しい気がしました。また、実用的なスキルに実を結ぶことができれば良かったのですが、アカデミアで習うとやはりその点は十分に満たすことができないのかな、とも思ったり。とはいえ、エッセイとリーディングが大きな割合を占める自分のスケジュールの中では、少し違った息抜き的な意味合いを持たせることができましたし、何より経験したことによってプログラミング関係が少し身近に、怖くなくなったので経験して良かったと思っています。

前学期の自由度の高さから味を占めて、今学期も全てオンデマンド形態での受講でした。毎日のようにカフェ巡りをしているので、そのうち東京のカフェ図鑑でも作れそうな勢いです。そのほかにもサイクリングをしたり、魚料理の自炊を楽しんだりと、日本ならではの生活を満喫することができていて、オンライン授業は意外にも性に合っているようです。教室に赴く時間などが削れて、とにかく自分の好きなように過ごせているので、大学卒業後の働き方なども再考させられます。

秋学期授業紹介

パソコンが変わって前のアカウントにログインできなくなったので表示名が変わったじょうもんです。投稿が半年以上空いてしまって申し訳ないです…キャンパスにいないためか大学への帰属意識が薄くなってしまい、といったところです(言い訳)。受験生の皆さんは出願お疲れ様でした!出願校選びから直前のエッセイ仕上げまで、悩みどころが沢山あったかと思います。今なお合格発表まで大学を絞り切れない、という人もいるかもしれません→ノースウェスタンには良き先輩がいます(真面目な話、これ意外と大事なポイントです)、是非一緒に大学生活を送りましょう!もう一押しお勧めポイントが必要な人もいるかもしれないので、授業紹介と今後の投稿頻度向上頑張ります。

Jewish Studies: Arabs and Jews in Palestine during the Ottoman Empire
アイデンティティグループが混ざりすぎていて読み返し必須の授業タイトルですが、直訳すると「オスマン帝国」の中の「パレスチナ」における「アラブ人とユダヤ人」について、です。パレスチナってオスマン帝国の統治下にあったのか、など前提の段階で学びがある気もするのですがそこを飛ばして話すと、オスマン帝国の多宗教政治から第一次世界大戦前後のナショナリズム形成までの歴史的流れを捉えつつ、アラブ人とユダヤ人の動向に着目する授業でした。アラブ人とユダヤ人は元々対立していなかったんだよ、というのが一番ざっくりとしたメッセージです。政策が人々に及ぼした影響についての論文はもちろん、社会学的な観点から個人の伝記を読むこともありました。トピックがニッチな分、狭く深く内容を掘ることができて、個人的には最も学びが深いと感じた授業でした。

Arabic
説明はあんまりいらない気もする…?毎度のアラビア語です。アラビア語は標準語の他に方言が大きく分けて4つ(レバノン、ヨルダン、シリア、パレスチナなどレバント地域/サウジアラビア、オマーンなどアラビア半島/エジプト/モロッコ、リビアなど北アフリカ)あり、話が通じない程にそれぞれ全く異なるため、自分の居住・関心のある地域ごとに習得が必須です。そのような事情があるため、1年目から学んでいる基本の標準語を引き継ぎつつ、2年目からは方言も少しずつ内容に入ってきました。ちなみに私が学習しているのはレバント地域の方言です。4つの方言の中では最も柔らかく、女性的に聞こえると言われています。毎日少しずつ触れることが言語習得への近道だと信じているのですが、オンラインではどうしても発言の機会が少なくなってしまうので少し残念。

Religion: Introduction to Islam
イスラム教についてジェネラルに学ぶコースです。とは言っても、コーランの中身や宗教的規則を細かく暗記するのではありません。イスラム教の歴史や、文化との関わりなど広義的なトピックを扱うことが多かったです。特に興味深かったと言えるのは、テロリズムや女性差別といった社会的なテーマについて、イスラム教の教えを理解した上で改めて照らし合わせ、宗教的解釈について考察した経験です。ジハード=聖戦、の訳が流通していますが、実はイスラム教における意味では「ある目標を目指した努力・奮闘すること」が正確です。もちろん、ことイスラムにおいては宗教が一定の行動を生み出していることは紛れもない事実です。しかし、そのような事実があるからこそ、イスラム教に関する無意識下でのバイアスをイスラムについて学んだ上で紐解く作業は大切だと感じました。授業内容とは別に、宗教学という学問を経験、理解できたことも個人的には面白かったです。

Political Science: Introduction to Interpretive Methods
政治学を専攻する上で必須科目なのが、方法論のクラスです。政治学は名前にサイエンスが付く通り、比較政治学などを筆頭に、定量・統計的な分析を主とする分野もあります。アカデミアとしての政治学を進む人にとっては特に重要となる、一次データなどの扱い方を習得することが、方法論の授業の主目的です。とここまで説明したのですが、私は論文など質的な読み込みに注力する方が得意なので、いくつかある方法論の授業の中でも文系向けのこの講義を選びました。政治学の枠を越えて、社会学やジェンダー学などのアカデミアに大きな影響をもたらした文献に沢山触れることができたので、大学で授業を受ける恩恵を享受できました。

時差に合わせるため、どの授業もオンデマンドで受講したのですが、自由に時間を調節することができ個人的にはとても好きでした。その反面、どうしても大学に通っている感覚が薄くなってしまったのも事実です。冬学期は少し異なる形態をとったので、そちらの感想もお楽しみに!